2010年12月04日

その8「養育費カンパ説」

「養育費カンパ説」

「親権のない親が養育費を払う場合、扶養控除に入れることはできない」
と思っている人は多いと思うが、法制度上は親権がない親でも扶養控除に入れることはできる。
要は婚姻時と同様、どちらかの親が控除に入れるので、同居親が子どもを扶養控除に入れてしまえば、実質的には別居親が控除に入れることができなくなるということのようだ。
現実的には「親権がなくなると扶養控除ができなくなる」というのとほぼ同義だが、離れてすんでいても、相手方との話がつけば、別居親が控除に入れることは可能だが、現実的にはそのようなことはレアケースである。
この場合、養育費はどういう扱いになるのかと考えると、子の養育のためのものと言いながらも、実はカンパみたいなもんじゃないのかというのが、別居親の間で議論になったことがある。見返りを求めず、子育てという意義に出資するもので、義務というニュアンスは制度上弱い。
そうすると、扶養控除に入れられなくても、寄付金控除に入れることができるのではないかという結論になる。しかし、実際には寄付金控除の対象になる団体は限定されているので、ここでも控除に入れることはできない。
実際は養育費は「手当」と考えると妥当なようだ。
他方、養育費を取る側は、不十分とは言いつつも、強制執行などの手続きが整えられてきた。しかし、養育費の額を行政に申告するかどうかは、任意である。
義務性の弱いお金を強制執行で公式には親とは呼びがたい、親権のない親から取ることには無理がある。
共同親権が法的に保障されれば、経済上の分担もあらかじめ取り決められることになるから、控除の議論もあらためて仕切りなおすことになるはずだけれど、当面、現行制度のおかしさを指摘していくことはできる。
裁判とかも追及できるのではないだろうか。おそらく憲法24条「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関 しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」という規定に抵触することになるはずだ。


「子ども手当て」

民主党は扶養控除をなくすと言っているが、養育費も払い、扶養控除は存続し、税金から「子ども手当て」が出ることになると、別居親にとっての経済的な負担は、所得の額以上のものになるだろう。
離婚家庭支援策は、別居親の養育負担も念頭に、総合的に考えていかないと、どうしても税制上も無理が生じる。こういった総合的な離婚家庭支援は、最終的には 共同親権が実現しないと解消していかないのだろうけれど、それを待ってはいられないので、別居親が積極的に発言していくことが重要だろう。
posted by 家裁監視団 at 00:10| Comment(0) | 親子の引き離し用語集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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